ねこまみれの生活1

(ねこ達との出会い別れそして日常生活)

ねこ達とのそれぞれの出会いに





写真は私が初めて付き合ったねこ、ケープの子供の頃のです。
はじめての彼の行動にアタフタしたのを今でも鮮明目に覚えています。
ケープから始まってあっという間のねこ歴20余年です。


これまでに、家ねこ6人目、外ねこ???何人だろう?
彼たちとは、それぞれの出会いぞれぞれの思いがあります。


ねこ達との生活の中で癒されたこと学んだこと思い出深いこと
心配したことなど彼たちとの出来事が思いが
鮮明に残っている間に彼たちとの出会いから日常のことを
彼らに感謝を込めて日記に残そうと思います。


いま、ねこを飼っている方には「そう そう」と納得してもらったり
これから初めてねこを飼おうとしている方は私のねことの生活を
参考にしていただけたらと思っています。

20余年の出来事の時間の流れは前後しますが思い出すままに進めて行きたいと思っています。
 



台風の日に Vol.1



外はテレビの音も聞こえないほどの雨と風です。
大きな台風がやって来て会社も休みです。
そんななかでもうちの息子達は知らん顔でまん丸になってお休み中です。
いい気なモンです。


飼い猫の生活は・・・。


そんな時、突然ひょこっと頭をもたげ長男のケープが耳を動かしたかと思うと窓に一直線に走りだしました。
『アウヮヮヮヮヮ』と突然の雄叫び
そのケープの動きを追って次男のチャロも窓によじ登り『アワワワワ~』と叫びだしました。
窓の外は雨。
雨に向かって怒っても仕方がないのに・・・


しかし、外の雨に対しての鳴き方ではなくいままで聞いたことが無いような声のトーンでした。
「なんか変な鳴き方やなぁ~」私は妻につぶやくように言いました。
ケープはしばらく窓に向かって鳴いては私のほうをチラッと見ます。


「ん?どうしたん?」
「ケープ?これはなぁ うるさいけど雨やで仕方ないんや。」


そのとき、雨の音に混ざって私にもかすかに聞こえてきました。
弱弱しい情けないような声が・・・


『ミィ~ィ~ ミィ・・・ミ』

「あれ なんか聞こえるわ・・・ねこか? ちょっとみて来るわ」


私は風に飛ばされないように傘を小さくすぼめて玄関を出ました。
家の前には植木鉢がいっぱい並んでいます。
植木鉢の後ろには普段なら水が一滴もない乾燥している小さな溝があります。
でも今日はすごい雨。溝に生えている雑草の葉が揺れています。


「あれ 確かにこの辺から聞こえるんやけどなぁ」


大きな植木鉢を動かすと小さな子猫が溝に一人で震えながら鳴いていました。
ずぶ濡れの子猫を私はすくい上げると震える体からさらに大きな声で鳴き始めました。
ノラだから人の手に臆病なのかなと思いました。
でも逃げようともしないし恐がっている様子もないし・・・
さらに私の目を見つめながら


『ナァーー ナァーー』


私は何故か隣の路地が気になりました。 路地の入り口から行き止まりの奥のほうを見ると私の目に飛び込んできたのは横たわっているトラの子猫でした。
そばまで寄るとその子は身動きひとつしないで真っ赤な血の海の真ん中に横たわっていました。行き止まりのその壁の高さは2m程です。

おそらくそこから何かに追われて飛び降りたのでしょう。
血が雨に混ざって流れている余りにも無残な姿に私は一瞬目を背けましたがおなかのあたりが少し動いているのに気が付きました。


「あっ!!生きてるわ!!」私は思わず大きな声を上げてしまいました。


妻も慌ててやってきました。
妻はその血まみれの子猫を抱きかかえ家に持ち帰りテッシュの箱でベッドを作りました。
雨にぬれている体から流れ出るその子の血はテッシュのベッドに見る見るうちにしみ込んでいきます。
せめて冷え切ったその体を温めてあげようと妻はドライヤーで温かい風を送り始めました。





台風が去って Vol.2

『ウゥ~ ウゥ~』
「ケープ!!なに『ウウ』言ってるねん!!お前が見つけたチビちゃん達やんか!!」


ケープは知らない子達が来たのでとても興奮している様子です。
ケープに比べて気の強いチャロは、で~んと座って知らん顔をしています。
でも、後ろのほうをよく見るとシッポが、試験管ブラシのようにフワフワになっていました。
どうやらネコっていうのは気の強い弱い関係なしに新しい環境にはとても敏感なようです。
このままではケープも気が休まらないし、例え仲良くなろうとしてもケープの友達に対する最初の挨拶は『ねこキック』から始まります。
普通のチビたちならケープの『アマアマ・ねこキック』はどうってことは無いのですが、このチビたちの状態では危険の恐れがありました。


「あ~ このままやったらあかんなぁ~。ケープがちょっと心配やわ。えらく興奮しているからこの子らをちょっと隔離しょうか?」
「隔離?どうするの?」
「ちょっとまっててや」


私はゴミの日に捨てようと思っていたダンボールを組み立ててその中に毛布をひき、子猫たちをそっと寝かせました。




「ほらほら ええねこハウスの出来上がりや」


体の乾いた泣き虫子猫はダンボールの隅っこで体を丸くしてじっと座っています。
大怪我の子猫は手足を伸ばしたままお腹が上下に動くだけでピクリともしません。
「大丈夫かな」妻がつぶやきました。


「いままで やれることやったんやから・・・」
「そうだけど・・・ほかになにか・・・」
「もう からだも乾いたし・・・」
「うん・・・」
「血は止まったみたいだから後はそっと寝かしてあげよか?」


それからも私と妻は気になってダンボールの子猫たちを何回も覗き込みに行きました。


「かわいい顔してるなぁ~ 大怪我をしている顔やないな 子猫がぐっすりと寝ている顔やな」
「ほんとやねぇ」


台風の日、どこにも出かけられない退屈な時間にとんだ事件が起こり、慌しい一日が過ぎました。
次の日は日曜日ですがお医者さんに行こうと思っています。
翌朝、私達が目を覚ますと子猫たちが元気になっていることを願うばかりでした。






獣医さんの診断 Vol.3

今日は日曜日ですがいつもより早く目が覚めました。 妻は私が目覚めるとすでにダンボールを覗いていました。

「どう?」私は聞きました。 「う~ この子は動いてないみたい・・・」 「ん・・・そうか・・・」 「でも 見て この泣き虫子猫・・・」 「んん どれどれ」 「な 寄り添っているわ」 「ほんとやなぁ でもこの子が大怪我をしているって知らんねんやろなぁ」



泣き虫子猫はいつも一緒に遊んでいたと思われる姉妹に寄り添ってすやすやと眠っていました。それはなんともほほえましい光景ではありますがこれからのことを考えると返って心配でなりませんでした。 朝の支度を終え、泣き虫子猫が目を覚ましたので私は手のひらで抱きかかえダンボールから出しました。


『ニィ~ ニィ~』 元気な訴え泣きです。
「きっと おなかがすいているんやわ」
「ミルクかな?」 「ノラやからミルクは知らんやろ」
「じゃ~ ねこ缶?」 「そうやな ねこ缶でええんとちゃうかな?」


抱きかかえた泣き虫子猫の前に妻がねこ缶を盛ったケープのお皿を差し出すと元気に私の手の中で暴れだしました。


「あたり!! あたり!! お皿を下に置いてぇ」
「放すで」


私が床の上に泣き虫子猫を放すとケープのお皿に盛ったねこ缶に顔を埋めて食べだしました。


「ええ 食べっぷりやなぁ~ このぶんやったらこの子は大丈夫や」
「うん じゃ~私はこっちの子を連れてお医者さんに行ってきます」
「そうやな ケープとチャロがちょっと心配やから留守番しとくわ」


妻はお医者さんに電話で今までのことを説明し病院に行きました。
その間、私は泣き虫子猫のお守りです。
ご飯をいっぱい食べた泣き虫子猫はスタスタスタと自分のお家と思っているダンボールに戻っていきました。
ケープは自分のお皿で子猫がご飯を食べているのが気に入らないのかずっとすねています。
新しくケープのお皿にねこ缶ご飯を入れても大好きな鰹節をふりかけてもすねていっこうに食べようとしませんでした。


「ケープ!! いい加減にしいいや!!」
『ウウゥ~~~~~!! 』 ケープがうなっています。


子猫が先住ねこの気兼ねもなしにご飯を食べて自分のお家のダンボールに帰って勝手に寝ているのがよっぽど気に入らなかったのでしょう。その後、ケープは好きな銀紙ボールも荷造りヒモも数日間は遊びませんでした。


しばらくして、妻が病院から帰ってきました。


「どうやった?」
「うん・・・」
「だから どうやったん?」
「もう・・・あかん・・て・・・」
「あかんて・・どういうこと?」
「あと 2,3日もつかどうかだって」
「ん・・・そうかぁ」
「とりあえず抗生物質の注射だけ打ちますか?って」
「そうかぁ」


病院から帰ってきた妻の獣医さんからの診察の答えは最悪のシナリオでした。
でも帰り際にもらったものがありました。
それは、「体温が下がっているからせめて最後まで温かくしてあげてください」の言葉と『針のない注射器』でした。


死を間近にした大怪我の子猫の横でダンボールの中では何も知らない泣き虫子猫がケープの銀紙ボールと戯れていました。