合成宝石
(Synthetic)
<合成宝石について>
もし高価な宝石がやすやすと手に入れることができたらと思いませんか。
そんなことが自分だけ出来たなら大金持ち間違いなしです。
これまでに、高価な宝石を人工的に作り出す方法を多くの人がチャレンジしました。
1895年ごろ合成ルビーが製造されましたが採算割れのため製造が中止になりました。
皮肉にも、合成ルビーの出現で天然ルビーの価格が下がったのが原因でした。
それから、約20年過ぎた1904年に商業ベースによる生産が始まりました。
1904年と言えば明治37年です。
鑑別の仕事をしていてよく遺産相続で、手に入れた『ルビー』を数多く鑑別しましたが
そのほとんどは『合成ルビー』でした。
昔の宝石だから『天然石』と思っている方が多いようですが何も知らなかったのは
日本人だけのようです。有名宝石店のケースに大事に保管されていた『ルビー』
も例外ではありませんでした。
合成とは単なるガラスとか類似石ではありません。
外見が似ているという意味ではなく屈折率とか比重など
天然宝石と全く同じ特性をもつ宝石が人工的につくられた宝石です。
言い換えるなら、天然宝石は『地球』がつくり、合成宝石は『人間』がつくった。
それだけの違いなのです。
今では技術も発達しいろいろな合成宝石の製造方法がありますが、
当時発表された『ベルヌイ法』と呼ばれるその製造方法は現在でも用いています。
現地で買い求めた宝石だから『絶対に間違いない』と思わないで下さい。
現地だからこそ信じてしまう心理を彼らは知っています。
合成宝石は合成宝石として付き合ってこそ合成宝石の意味があります。
合成宝石とは
宝石学では、天然宝石と同じ化学組成、結晶構造を持ち人工的につくりだした宝石を『合成宝石』とよんでいます。(化学組成、結晶構造を持っていても天然に存在しない宝石は『人工宝石』・『人造宝石』とよんでいます。)
写真は『ベルヌイ法』で作られた合成サファイアの結晶です。この結晶を『ブール』といいます。
天然サファイアの結晶と見た目が随分と違うため『原石』の鑑別は容易ですが、カットが施されると天然と同じ鑑別結果のデータが得られるため鑑別が困難な場合もあります。
